近年、海外からの観光客の増加や、海外から日本に来て働く人も増えてきたため、
ホテルや公共施設でのトラブルも増えてきています。
その中でも、防災の観点から特に注意が必要なことがあります。
悪気がなくても、無意識に火災の原因を作り出してしまうことや、
危険な行動が災害を引き起こす可能性があります。
今回は特に注意すべき点について取り上げ、
どのような点に注意すべきかを考えます。
1. ホテルの客室でのタバコ喫煙によるリスク
ホテルの客室でタバコを吸うことは、火災の大きな原因となるだけではなく、
「誤報」の原因にもなります。
タバコの煙や火を感知する自動火災報知設備の感知器は、
ホテルの各客室についており、敏感なので、
少しの煙でも反応してしまうことがあります。
喫煙をすることにより感知器が発報し、
誤報になる場合だってあります。
その場合、ホテル内では誤報によるベル鳴動、
無駄な避難や緊急対応を要求されますので、
客室での喫煙は本当にやめていただきたいと感じます。
他の宿泊客も巻き込んでしまいます。
私の経験上、消防設備の点検作業で、
喫煙ルームでない客室に入った際に、
タバコの匂いが残っていたこともありました。
また、感知器が発報しないように
ビニールで覆われていたことも
ありました。
ちゃんとタバコを吸った形跡は
残っていたので、
こちらも注意しないと大火災に
発展してしまうかもしれません。
誤報になる事はなくても、発見が遅れ、
火災の拡大につながる恐れはあります。
また、大勢の逃げ遅れにもつながる
可能性もあります。
さらに、タバコの火の不始末により布団やカーテンに着火し、
実際に火災を引き起こしてしまう可能性もあるため、
徹底的な監視とルールの周知が重要です。
2. リチウムイオン電池の不適切な廃棄
現代の多くの電子機器にはリチウムイオン電池が使用されています。
これらの電池は、誤った廃棄方法を取ると、
火災を引き起こす原因になる可能性があります。
特に日本のルールに慣れていない場合は、
ゴミの分別方法やリチウムイオン電池の廃棄ルールに不慣れなことが多いです。
例えば、リチウムイオン電池を通常のゴミとして捨てると、
電池が破損しショートすることで、発火する原因となります。
ゴミの処理については
重要視していないことでも、
廃棄した後に、知らないところで火災が起きてしまう場合もあります。
リチウムイオン電池の抱える火災危険について、
多くの人に理解してもらう必要があります。
3. 公衆トイレでの喫煙による火災
公衆トイレでの喫煙も火災リスクを引き起こすことがあります。
先ほどのホテルの客室での火災リスクと似ていますが、
やはり喫煙による火災リスクは拭えません。
例えば、トイレ内でのタバコの喫煙や火の不始末は、
火災の原因となることがあります。
トイレットペーパーも可燃物ですので、
火の不始末によりトイレットペーパーに引火してしまうことも考えられます。
また、先ほどのホテルの火災リスク同様、
トイレに煙感知器が付いている場合もあり、
何事も起きていない場合も、
タバコの煙だけで発報なんてことも考えられます。
ホテル同様、
火災リスクと誤報リスクの両方があるということになります。
【火災原因調査】電気火災の基礎。知っておきたい【用語】トラッキングやショートなど
結論
海外からの旅行客や、仕事のために日本に来た人にとって、
日本でのルールをあまり知らない人も中にはいます。
訪日した旅行客の増加に伴い、
防災面でのリスクも急速に高まっている
のが現状です。
タバコやリチウムイオン電池の廃棄、
悪意がなかったとしても
多くの危険が潜んでいます。
しかし、適切な防災教育と
各施設内での注意喚起を通じて、
これらのリスクを減少させることはできます。
外国人観光客や訪日する外国の方々が
すべて安全に過ごせるよう、
引き続き防災意識の向上に努めることが
大切ですね。
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