火災原因調査【写真の撮り方・大切なポイント】

火災原因調査

火災原因調査の写真は、
原因判定の根拠となる重要な資料となります。

今回は撮影方法のポイントをいくつかご紹介したいと思います。

 

撮影の基本

① 燃えている部分と燃えていない部分の比較ができる撮り方をする。

② まずは遠目に撮影し、徐々に近づいて撮影する。

③書類の読み手に伝わる撮影を心がける。

それでは順番に触れていきましょう!

燃えている部分と燃えていない部分の比較

まずは建物の外側から。
最初に出火建物の外観を、「東西南北」の方向から撮影します。
外側からの撮影でも出火箇所を絞り込む一因になり得ます。

「北側1階部分に焼損は認められないが、2階外壁西寄りが薄茶色に変色している」
「西側に焼損は認められない」
「南側に焼損は認められない」
「東側に焼損は認められない」

という文章に合う写真を撮るとすれば、
写真は4方向からのものが必要となり、
これらの写真により、
北側2階からの出火の可能性が考えられます。
4方向を比較し、出火箇所を絞っていきます。

また私の場合、現場到着したら真っ先に外観の写真を
撮るようにしています。

というのは、調査の流れとして、
現場を発掘しながら撮影も同時に進めていくため、
後で手伝いにきた部隊が多数集まる場合があります。

調査書類で使う写真は、基本的に消防車や人が入ってはいけません。
調査が進めばそれだけ広域写真を撮影しづらくなります。

後になって撮影の都度、
「どいてくださーい」と声かけをすることになります。

撮れるタイミングで撮れるだけの写真は確保しておいた方が良いです。
不要な写真は後で消せば良いだけです。

 

遠目から近づく

次に意識したいポイントです。

これもスタートから言えることなのですが、
燃えている場所が「絞り込める」
撮影の仕方をしていきます。

明らかに出火箇所と判断できても
それが至近距離だったらどこを撮っているか分かりませんよね?

建物の外観→建物の内部→出火箇所

のように少しずつ近づいて、
建物のどの方角に位置する
どの部屋の、どの部分の、何が燃えたのかを辿れるように撮影をします。

書類の読み手に伝わる撮影とは

調査書類全体の話をしますと、
実況見分調書や、写真台帳など
それぞれの書類は分かれているものの
相互に関連したものとなります。

現場に行っていない人が読んでも伝わる書類に作り上げなければなりません。

火災現場を、具体的にイメージできるよう、
各写真は断片的であってもそれぞれの写真が、一つの筋道として繋がっていなければなりません。

各写真から出火箇所の方角を読み取り、
位置を特定、原因を考察することに写真撮影の意味があります。

書類を見た人が納得できる写真、またそれによって説得力のある判定に導けるような文章を作成することが大切です。

その他

現場調査が終わり、消防署に帰ったら必ずカメラの充電をしましょう。
あまり使っていなくてもバッテリーを消費している場合があります。
また調査が終わった後、すぐに別の火災が発生することも考えられます。
現場調査でカメラは必要不可欠なので、次回の火災に備え、万全の準備をしておきましょう。

まとめ

火災原因調査の写真は、
原因を特定するための明確な根拠となります。

火災には必ず原因があり、
現場にはその証拠が残っています。
写真を含め、多方向から根拠をたどり、
原因を突き止めることで類似火災の予防に繋げることが重要ですね。



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