【元消防士】パワハラを受けたとき…驚愕した消防本部と民間企業の対応のちがい

出来事

元消防士YouTuberのKIYOYUと申します。

今回は、私が消防士だったとき、
職場でパワハラを受け、長期休暇を経た後に、消防本部に呼び出されたときのエピソードについてお話しします。

今でこそ明るく話せますが、
当時、幹部職員から言われた一言は
私の心をさらに窮地に追いやりました。
どんなパワハラを受けたのか、
その詳細については、
本に書き記しました。

消防本部に行き幹部から言われたこと

私がパワハラの事実を説明しに、
病休中にフラフラになりながらも消防本部に出向いたとき、2人の幹部職員に対応をされたのですが、そのときの言葉が今も印象に残っています。

「パワハラなんて消防じゃ当たり前だぞ!俺たちだって受けて、歯を食いしばって我慢してきたんだ」

「◯◯さんて人がいてな、ついこの前やっと定年退職したけど、あの人から殴られたことはずっと忘れていないんだぞ」

「当時はもっとひどくてな。俺が作ったメシなんてすぐにゴミ箱いきよ。頑張って作ってもこんなマズイもん食えるかってな。悔しかった。今なんてマシになった方だぞ」

「何年かしたら、いつかまた同じ消防署で働くことだってある。強くなんなきゃダメだ」

「消防を辞めたいって?
えーっとKIYOYUくんは、何で消防士になろうと思ったんだい?最初に消防士になりたかったときのことを思い出してごらん」

さんざん幹部の不幸話を聞いたあと、
当初私が消防士になろうとした志しを語れと言われ、うんざりしながらも話を聞いていました。

この人達がガマンして築いた消防の歴史が、このパワハラの歴史か、と。

パワハラ社会の消防組織は、直さないのではなく、直せないほどに汚染されていると感じました。

暴言が暴力が、教育かコミニュケーションとして当たり前の空気感で浮遊しているのです。

もちろん、全ての消防署ではありませんが、大体の消防士は上司の言動を継承していきます。

その後、私は一時的に、消防署から消防本部に研修生として出向扱いとされました。
その件で所属していた消防署に決裁をもらいに行かなければならないこともあり、幹部から、パワハラの加害者のいる消防署に出向いて来いと言われ、そのデリカシーの無い対応にもうんざりしました。

「加害者に会いたくねぇって言ってんだろ…。だから職場に行かなくなったのに」
と内心感じました。

幸い、消防本部には歳が近く、事情を知り親身になってくれた先輩がおり、代わりに決裁をもらいに行ってくれました。
大阪出身で優しい関西弁が印象的でした。その先輩には今でも感謝しています。
「KIYOちゃん行きたくないやろ、代わりに行ってくるから気にすんなや」と。

消防組織の全体が悪いわけではありません。
親身になってくれる優しい消防士も中にはいます。
ただ、経歴が長い世代ほど、配慮やデリカシーに欠けている人が多いように感じました。

民間企業に転職、パワハラを受けたと訴え辞めていった先輩の事例

消防を辞め、私は民間企業に転職しました。
ここでもパワハラの事実がありました。

入った会社では、
既にパワハラを受けた社員は辞めた後でしたが、相当しっかりと問題視していたことが救いでした。

辞めてしまった社員とは面識も無く、
パワハラを受けた経緯を聞いただけでしたが、
客前で怒鳴るなど、
相当心的にダメージになる扱いを受けたと人伝に聞きました。

パワハラの加害者である社員は
残ったままでしたが、
一度問題を起こしたのだから次はありません。
かなり大人しくなっていました。

「辞められたら困る!」
「他の社員に影響があったらマズイ!」
と、消防では見られなかった
誠実な対応が見られたのは、
少し安心できました。

対応のちがい

消防は口先だけで「風通しの良い職場」を謳っていますが、それがいかに表面的なものなのかが実感できました。

もちろん色んな消防署があり、
色んな企業があるので
一概には言えません。

しかし、消防はパワハラになり得る行為が
パワハラと認められない場合が多く、
ほとんどは若手の泣き寝入りです。

ほんの一例ですが、
胸ぐらを掴まれて車庫の壁に押し付けられたり、
食事に大量の七味唐辛子を入れられたり、
シャワーを浴びてるときにタバスコやマヨネーズを混ぜた液体をかけられたり、
非番や休日にも叱責のメールがたくさん入ったり、

消防で受けた行為を民間で話すと
「ありえねー」とよく言われます。

色んな出来事も消防では笑顔で耐えないと仲間はずれなんてザラです。

ですので私は感情は極力捨てるようにしました。

外から見えない消防の内部では色んなことが起きているんですね。

まとめ

消防の組織は閉塞的で、
正直今だに内部は見えづらいと思います。
まして深夜に及ぶ業務なので
暴力なんて隠されたら誰にも分かりません。

最近、
甲賀広域行政組合消防本部(滋賀県甲賀市)で2023年9月末までに計12人が中途退職するという報道が目に入りました。
全職員(約200人)の5%超が退職する事態になるそうです。今だにこんな時代遅れのハラスメントが横行していることに呆れ果ててしまいました。

またもう一方で、8月8日、愛媛県の久万高原町消防本部では20代の消防士が昆虫入りのご飯を食べるよう上司から強要されたというニュースも目にしました。

もはや自分とは関係の無い職場の話題ですが、
やはり人命救助に勤しむ誠実な消防士の姿も、こんな事件のせいで霞んでなりません。

時間が解決なんてことも聞きますが、
暴力を受けた方は、ずっと忘れませんから。

他に真面目な消防士もいることを忘れてはなりませんが、
組織を牽引する幹部職員が、
悪い消防の歴史を見てきた世代、
暴力を受け耐えてきた世代である場合が多く、
その文化や伝統も継承されていくことでしょう。

消防のパワハラのニュースはおそらく今後も無くならないと思います。

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