【火災原因調査】基本の流れ !書類作成のゴールまで!どんな業務かをチェック

火災原因調査

スタートからゴール(書類完成)までの全行程

今回は火災原因調査の基本について説明します。

スタートからゴールまでは以下のとおり。

災害発生
▶︎現場調査
▶︎書類作成
▶︎決裁
▶︎完成

ですが、ざっくりしているので噛み砕いて説明します。

また消防本部ごとに
多少の違いはありますので
ご了承ください。

現場調査

出場

災害が発生。
消防隊が、先行隊として現場に出場。
調査班は消火活動が目的ではないので、

消防署内で無線を聞き、
現場の消火活動の進捗を把握しつつ出場の準備をし、
現場が落ち着いたことを確認した後に出場します。

署内にいる間に、あるいは移動中の車内で、
火災調査班長と各隊員で任務分担をし、
現場調査がスムーズに進むように下話をしておきます。

到着

現場調査の準備に入ります。

指揮車から調査用の資機材を下ろし、現場の消防隊と合流し、出火建物の情報を確認します。

確認した後、各担当ごとの活動に入ります。

帰署

現場調査で着装した防火衣の上着や雨具、長靴や資機材を洗浄します。

ほとんどの汚れが炭による汚れです。

車庫の裏に水道があるので(大体の消防署には必ずある)
そこで洗浄します。

また、洗面所でうがいをしますが、
マスクをしていたとしても鼻水が真っ黒になるので
念入りにうがいします。

書類作成

処理区分

私のいた消防本部の例ですが、
火災の種別、損害程度に応じて1号から2号の区分
に分けて処理されていました。
(消防本部によっては3号処理まである所もある)
こちらはあくまで参考です。

1号処理
▶︎部分焼以上の建物火災、死者の発生した火災、
鑑識または実験等を要する火災、社会的影響のある火災、
船舶火災、その他消防長が必要と認めた場合
2号処理
▶︎1号処理に該当しない火災
2号処理のうち署長が必要と認めた場合は
1号処理で作成できる

以上のように決まっていました。

規模が大きな火災が1号処理扱いになるのですね。

書類作成

調査書類の目次の一例は以下のとおり

様式は決まっており、
目的別に分類されています。

各項目ごとに書類を作成していきます。

・火災調査書
・火災原因判定書
・各種図面
(案内図、配置図、平面図、立面図など)・実況見分調書
・出火出場時における見分調書
・質問調書
・火災現場写真台帳
・写真撮影位置図
・動産損害額査定書
・り災申告書
・防火管理等調査書
・負傷者の調査書
・その他の関係資料



決裁

担当した部署の全職員の決裁が済んだら作成完了。
ここにたどり着くまでが本当に大変です。

決済完了まで何度も修正を重ね
印刷を繰り返しました。
無駄にした紙の枚数も相当な量
だったような気がします。

一筋縄にはいきませんので、
根気強く取り組むと同時に、
作成前にある程度
下書きを別のワード画面上か
メモに作成しておいた方が
良さそうです。

決裁については、
年度をまたげば異動した職員も追いかけて
決裁を得なければならないので、

年度末に火災があると担当部署は
困惑することもあります。

「この時期に原調か〜」と
みんな悲鳴を上げていました。

まとめ

火災調査書類は裁判の資料にもなり得る為、作成には大きな責任が伴います。

火災から何年か経過した後に、
火災に関わった地域住民から情報開示請求が出されることも…。

つじつまが合わない根拠、
誤字など、言葉ひとつをとっても
間違いがあれば
信頼に欠ける文章になりますよね。

作成は気を引き締めて取り組まないといけませんね。

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