【予防業務】重大違反?違反対象物公表制度ってなに?

査察

こんにちは!
元消防士YouTuberのKIYOYUと申します。
こちらのブログでは、消防業務をテーマにして情報発信をしています。

今回は消防予防業務の1つ、違反対象物公表制度について説明したいと思います。
こちらの制度は「重大違反対象物公表制度」とも言い、
平成23年4月1日より運用が開始しています。(東京消防庁の場合)

平成30年から運用開始しているところもあれば、
令和2年にやっと運用開始しているところもあります。

運用のスタートや、
対象となる消防用設備等については
各自治体によって違いがあるので、
その違いについても確認していきましょう。

制度の概要

制度の概要としては、
不特定多数の利用者がいる建物で、
特に重大な消防法令違反をしている
対象物(=建物)を、
ホームページ等で公表する制度です。

公表内容は、
建物の名称、所在地、違反内容などです。

重大な違反をしている対象物を
「見せしめ」として公開することで、
違反内容の早期是正を
促すことに役立っている
制度です。

条件

特定防火対象物であること。

・消防用設備等について、
対象となる消防用設備等の未設置

設備例(東京消防庁の場合)
①屋内消火栓設備
②スプリンクラー設備
③自動火災報知設備

・防火管理者の選任義務がある建物のうち、遊技場、性風俗店、
カラオケ施設もしくは飲食店または雑居ビル等における、
同一の関係者による防火管理もしくは消防用設備等の維持管理等の繰り返し違反。
(過去3年以内に2以上の消防関係法令違反を繰り返した建物が対象。)

今回は東京消防庁を例にとって
説明いたしました。
こちらの設備については
各自治体ごとで違いがある部分です。

自治体によっては、
これらの設備に
避難器具をプラスする
場合もあり、(千葉市の場合)
その場合は計4つの設備が対象
となります。

知ってる?【自動火災報知設備】P型とR型のちがい

 

対応

各自治体の消防本部ホームページへの掲載。

実務で感じたこと

防火対象物の関係者によっては、
消防の言うことを全く聞こうとしない
めちゃくちゃな人もいます。

防火対象物内に
消火器一本すらなく、
消防用設備が全くないにもかかわらず、
「消火器は売り物が店内に置いてあるから大丈夫だ」と
理屈ばかりを言い
逃げようとする方もいました。

建物の図面も無く、
関係者の意思だけで
増築を繰り返し
どんどん大きくなり、
大変危険な防火対象物
だったと感じます。

火災は起きてからでは遅く、
予防にこそ、絶大な効果が
あることを
理解していません。

違反対象物公表制度では、
火災原因調査と同じように、
実況見分調書などの
書類を作成しますが、
関係者の協力する姿勢は
まるで違います。

火災を起こしてしまった
関係者は疲弊し切って、
「火事を起こしてしまって
すいません」と
申し訳なさそうに
応じてくれますが、
違反対象物公表制度の場合には
対応が違います。

「今店が忙しいんだ!」
「消防設備にかけるお金なんてないぞ!」
「そんな制度知らん!」
と強気の姿勢です。

私は辛抱強く
「火災があったらどうするんですか、
たくさんの被害者が出ますよ」と
事の重大さを伝え続けて
ようやく納得していただけました。

電話も時間を見計らい
何度もかけて、
現地にも沢山足を運んだ
ことがあります。

被害を未然に防ぐことにこそ
消防の予防業務
の意味があると感じます。

消防の予防業務に携わる人には
火災による被害は、
取り返しがつかないものだと
訴え続ける姿勢が
本当に大切ですね。
諦めちゃいけませんね!

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