【火災原因調査】調査書類を作成するときのポイント【注意点】忘れがちなこと。

火災原因調査

こんにちは。

今回は消防の予防業務の一つ、
火災原因調査の
書類作成に際して、
主な「注意点」を確認したいと思います。

なお今回は、
建物等の所有者、管理者、占有者など
様々なシチュエーションがありますが、
「出火建物の居住者」に焦点を当てて説明していきます。

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材料は揃っているか再確認

材料とは道具のことではありません。
調査書類で使う「情報」のことです。

火災調査書類の作成で必要な情報は
火災が起きた現場において
「その場、その時」
でしか得られないものもあります。

消防署に帰り
書類をまとめる中、

書類を作成しようとしたとき、

現場で確認していない箇所に気づき、

例えば
「キッチンの天井の焼損具合が見たい」
と思っても、

数日後には確認できなくなります。

こんなときのために、
保険の意味も込めて
特に写真は大量に
撮っておいた方がいいでしょう。

忘れがちなこと

居住者に聞くこと(出火建物)

・出かける時、就寝時、施錠をするか?

・火災時、電化製品は使用していたか?

・初期消火は実施したか、
また奏功事例(住宅用火災警報器の鳴動)にあたるかのチェック。

写真

・ブレーカーの写真は撮ったか?

・居住者が喫煙者なら
タバコの銘柄までチェック。

・写真はどこを撮ったか明確に。
共同住宅なら部屋番号を撮ったり、
ビルなら何階なのか、共用部にあるフロア表示を撮るなど工夫して、記録を残す。
自分が忘れないように!

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その他

・携帯電話の番号、日中に連絡がとりやすい時間帯を確認(悪用はダメゼッタイ)

・第一発見者や、通報者などの人定(じんてい)はとったか?話を聞いたか?

・出火建物の居住者に、火災証明書申請書、り災申告書(罹災申告書)は
説明して、現場にいるうちに手渡したか?
➡︎賃貸であれば、占有者だけでなく、所有者にもり災申告書を渡す!

原因究明までの筋道を意識

例えば、
放火や電気火災を疑うとき、
それを打ち消す情報が必要になります。

玄関施錠の習慣や、
ブレーカーの状態は
火災原因を導き出す根拠
になり得ます。

「ウチはいつも出かける時に必ず施錠し、就寝時も玄関、全部屋の窓は必ず施錠する」と供述。

「火災の日に怪しい人は見ていない。」と供述。

この発言が欲しいのです。

要は屋外に原因があるのか?
屋内に原因があるのかを
ハッキリさせたいんですね。

このような一言を
最終的に書類に記載しなければならないので、
後になって「その一言が必要だったー」と思っても後戻りできません。

基本は漏れがないよう
質問しますが、
私は聞き忘れていたことを思い出し、
急いで消防署の電話から連絡して
確認したこともあります。

施錠に限らず、
関係者の記憶も日数が経つごとに
曖昧になるので注意が必要です。

火災当日に話してくれた内容が、
後日聞き直したら、
全く違う話になってしまう
こともありました。

相手によく確認し、
事なきを得ましたが、
高齢の方なら尚更です。

情報収集はスピードが命です。

まとめ

火災調査は
出火した原因と思われる
根拠を集め、
文章を組み立てます。

また火災の種別など
国に報告する内容もあるので、
とにかく色々なことに注意が必要です。

火災予防に繋げる
重要な職務であることを
意識して取り組むようにしましょう。

「写真撮り過ぎだよ!」と言われても、
「何で撮ってないんだよ!」と言われるよりはマシです。

後で消せば良いんです。

帰署する前に確認は念入りにしておきましょう。

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