【火災原因調査】車両火災について。実況見分や鑑識の流れをチェック!

火災原因調査

こんにちは、
元消防士YouTuberのKIYOYUです。

今回は火災原因調査の中でも、
車両火災が起きた場合の
調査の流れについて
確認していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

車両火災の調査って

建物火災より調べること多そう。

なんだか難しそうなイメージね。。

車両火災も建物火災も調査の流れは同じ

車両火災と聞くと、
少し怯んでしまう方も
いるかもしれません。

そこまで頻繁に経験する火災
ではないので、
レアケースという
印象も受けます。

しかし基本的な
調査の流れは建物火災と同じです。

調査の流れは同じと言っても
車両の構造などを理解したうえで、
最終的には
出火までのプロセスをつきとめ
文章化しなければなりません。

そのため、
原因はすぐに明らかにならないと
割り切って調査をしましょう。

それでは、
まず流れを確認しましょう。

実況見分の流れ

①現場到着時の見分

最初に見た煙の色は確認しておきましょう。
また、現地で確認できれば臭気はあるのか、
臭いも確認しておきましょう。

・黒煙 ▶︎タイヤやガソリンが燃えている場合など
・灰色 ▶︎配線の被覆や合成樹脂が燃えている場合など
・白煙 ▶︎オイルが排気管に触れた場合など

 

もし確認できなければ、
火災発見者からの事情聴取により、
臭気の有無について
供述を得ましょう。

 

②鎮火後の見分

鎮火後は、車両の外周全体を見て
焼損状況を確認します。

後で、
罹災証明書を要求されることも
あるのでしっかり確認します。

まず建物火災と同様、
東西南北と言いますか、
前後左右を見て、
高い位置から上部、
可能な範囲で下部も
見ていきます。

可能なだけ、
エンジンルームや
車両内部もしっかり見分します。

レッカーで移動されてしまう場合がほとんどですので、それまでに可能な限り見分を進めます。塗装、サビ、焼損の状況など、
くまなくチェックします。

また、レッカー移動時に
立ち会えるのであれば、
吊り上げられた車両を見上げる形で、
車両の下部、底面をはっきり
見られるチャンスです。

車両移動後は、
路面の状況についても
確認しておきましょう。

最近の車は、
合成樹脂でできていることが
多く、車両移動後に燃えた樹脂が
残っていることもあります。

路上に残っている樹脂は
できるだけ収去するようにします。



③鑑識の準備や調整など

関係者と話し、鑑識の準備をします。

ディーラーや整備工場など
鑑識のしやすい場所でできるよう
お願いをします。

また、車のメーカーにも
立ち会いをお願いします。

実施日時などを決め、
メーカー、ディーラー、
警察や整備業者等と
調整をします。

メーカーには車両の情報を
確認してもらい、
可能であれば同型品の依頼
をしておきます。

もし火災の原因が
何か構造上の問題があり、
それに気づけたのならば
早めにメーカーに伝えて
認識してもらう必要があります。
その場合はメール等で
伝えておきましょう。

④鑑識の実施

鑑識の実施日当日を迎え、
スムーズに行えるような
配慮はしておきましょう。

しっかりと
情報共有をすることが大事です。

ホワイトボードなどを活用して、
消防側から火災概要の説明をし、
メーカー側から部品や機器の説明をいただき、
順次鑑識を行いながら、
写真撮影を行っていきます。


⑤鑑識の終了

鑑識終了後に、
メーカー側から専門的な意見を
いただきながら、
火災の原因を検討していきます。

以上の流れで
現場での実況見分や、
鑑識を進めます。

実況見分、鑑識を経て
出火原因について考え
まとめていきます。

消防側でまとまった考えについては、
後日メーカー側に説明します。

また、
最終的に鑑識結果がまとまったら
出火原因について
罹災者にも説明をします。



まとめ

いかがだったでしょうか?
車両火災の調査については
経験をしたことが
ないと言う方も
多いのではないでしょうか。

関係者やメーカー等との
電話連絡や日程調整等が
少し手間ですが、
着実に鑑識を行うことで
類似火災の予防に
繋げられる事は
間違いありません。

車両火災が起こらないことが1番ですが、
起きてしまった場合は、
スムーズな調査で
確実な火災予防に
つなげられるように
関係する各機関同士で
連携していくことが
重要だと思います。



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