【道路法・道路構造令】トンネル内の消防用設備とは?道路トンネル非常用施設設置基準について。消防法ではない?

消防法

こんにちは!
元消防士YouTuberのKIYOYUと申します!

今回はトンネル内に設置されている各設備について、
確認をしていきたいと思います。

トンネルは防火対象物ではない

トンネル内に設置されている消防用設備等については、消防法ではなく道路法の基準が適用されています。

一般的に消防用設備等の設置基準については、防火対象物であれば消防法施行令別表第一の各用途ごとに定められています。
しかし、トンネルの場合は道路構造令第34条の基準により各設備の設置が定められています。

トンネル内にある非常用施設(消防用設備等)の考え方

トンネル内の消防用設備等については以下の通り定められています。

道路法第29条(道路の構造の原則)

道路の構造は、当該道路の存する地域の地形、地質、気象その他の状況及び当該道路の交通状況を考慮 し、通常の衝撃に対して安全であるとともに、安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならない。
→こちらは道路として最小限保持するべき構造の一般原則を定めた内容。

道路法第30条(道路の構造の基準)

高速自動車国道及び国道の構造の技術的基準は、次に掲げる事項について政令で定める。
一 通行する自動車の種類に関する事項
二 幅員
三 建築限界
四 線形
五 視距
六 勾こう配
七 路面
八 排水施設
九 交差又は接続
十 待避所
十一 横断歩道橋、さくその他安全な交通を確保するための施設
十二 橋その他政令で定める主要な工作物の自動車の荷重に対し必要な強度
十三 前各号に掲げるもののほか、高速自動車国道及び国道の構造について必要な事項
2 都道府県道及び市町村道の構造の技術的基準(前項第一号、第三号及び第十二号に掲げる事項に係るものに限る。)は、政令で定める。
3 前項に規定するもののほか、都道府県道及び市町村道の構造の技術的基準は、政令で定める基準を参酌して、当該道路の道路管理者である地方公共団体の条例で定める。

→具体的な内容は、政令(道路構造令)又は条例に委任している。

ということで、具体的な内容については以下の道路構造令第34条の通り。

「法」から「令」へとたどります。

道路構造令第34条

(トンネル)
第三十四条 トンネルには、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、当該道路の計画交通量及びトンネルの長さに応じ、適当な換気施設を設けるものとする。
2 トンネルには、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、当該道路の設計速度等を勘案して、適当な照明施設を設けるものとする。
3 トンネルにおける車両の火災その他の事故により交通に危険を及ぼすおそれがある場合においては、必要に応じ、通報施設、警報施設、消火施設その他の非常用施設を設けるものとする。

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非常用施設設置基準について

消防用設備等をふくむ「非常用施設」(これは道路法上の呼ばれ方)については、
「トンネル等級区分」に応じて選定されます。
トンネル等級区分は交通量とトンネル延長によって算定されます。

内容は以下の通りです。

※○は原則として設置。△は必要に応じて設置。

設備がつくのは等級C以上からになります。
原則設置の消火設備は消火栓消火器のみですので少し頼りないようにも感じます。

まとめ

いかがだったでしょうか。
トンネルの設備については法的な基準の見直しも課題となっていますが、やはり安全第一に考えていくことが何より重要です。ぜひ参考にして、安全について考えてみてください。

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