火災旋風ってなに?現象を解説!関東大震災でも発生したそのメカニズムとは?

Firefighting in Japan

こんにちは!
元消防士YouTuberのKIYOYUと申します。

今回は都心での火災時で起きてしまうこともある
「火災旋風」について解説します。

火災旋風とは

火災旋風は、火災の熱で周囲の空気が急激に上昇し、その上昇気流が周囲の空気を巻き込むことで、強力な旋回流が生じる現象です。
かつての関東大震災では、大規模な火災が同時に発生し、その熱と煙が渦巻き、火災旋風を引き起こしました。
この旋風は、炎を巻き込みながら猛烈な速度で移動し、周囲の建物を一層激しく焼き尽くしだそうです。

どんなときに起きる?

高温の炎によって上昇気流が発生し、
そこに横風が吹き抜けると、
炎が回転する流れが出来上がります。
その結果、火災旋風が発生します。

一度火災旋風が起きると、風の流れによって
横移動し、周りの建物等を焼き尽くす動きを見せます。

過去の火災事例

約100年前の1923年9月1日、関東大震災が発生しました。
その影響は地震によるものだけにとどまりませんでした。震災直後、東京と横浜を中心に火災が猛威をふるい、多くの建物が焼失しました。

避難者の荷物に炎が燃え移り、火災は拡大していったそうです。

この火災で発生した現象が「火災旋風」です。

「フラッシュオーバー」と「バックドラフト」の違いについて。燃料支配と換気支配とは?区画火災について!

危険なシチュエーション

木造が密集したいわゆる「木密」の場所

木造建物が密集している「木密(もくみつ)」地域では、火災のリスクが特に高くなることが予測できます。

木材は可燃性が高く、火災が発生すると瞬時に火が広がります。さらに、狭い道路や隙間なく建物が並ぶ状況では、消防車や救急車の進入が難しく、消火活動や避難活動に支障をきたします。
地域全体での防災対策が求められ、警戒体制や火災予防策を要するのと同時に、火災が実際に起きてしまった際の迅速な対応が命を守る鍵となります。

高層ビルの並んだ場所

一方、高層ビルが立ち並ぶ都市部では、
火災のリスクが異なる形で現れます。
火災旋風の勢力が強められる条件がそろっており、加えて高層ビルでは、火災が発生した場合だと火の広がりが階層ごとに進行し、避難が困難になる場合があります。

立ち並ぶビルの間をとおる「隙間風」によって、またビル周囲を「回り込む風」の流れによって、相互に火災旋風が強め合う現象が起きます。

火災旋風の勢いが拡大していくと、炎の高さはビルの最上階まで
届き得る場合もあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?
火災旋風が発生した場合、
炎の渦の温度は1000度以上にもなります。
同時多発的に多くの場所で火災が発生するリスクもあります。
悪条件が重なってしまえば被害は拡大してしまう危険な現象とも言えるので
注意が必要ですね!

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