【火災原因調査】電気火災の基礎。知っておきたい【用語】トラッキングやショートなど

火災原因調査

こんにちは。
元消防士ユーチューバーの
KIYOYUと申します。

今回は、消防業務の
「火災原因調査」で
電気火災の原因となるもの
について
解説していきたいと思います。

火災調査書類の作成
のために、ぜひ参考に
してみてください。

用語をチェック

ショート(短絡)

電気はコードの絶縁被覆がはがれ、
ハダカの銅線(どうせん)と銅線、
つまり銅線同士がくっつくなど、

決められた道順(回路)を通らず
近道することがあります。

これをショートまたは短絡(たんらく)
といいます。近道をするから
ショートと言うんですね。

ショートが起きると、
電位差のある電線から
電線へ瞬時に大きな電流が
直接流れます。

経年劣化や、
電気配線を傷つけてしまうこと、

例えば
机や椅子の脚で
電線の被覆を破ってしまって、
電源コードの素線同士が
触れ合ってしまうことで
ショートは起きます。

電気回路がショートしてしまうと
大量の電気が一度に流れ、
電気製品の故障や
発熱を引き起こしてしまうため
とても危険です。

ただし、
ショートそのものが
原因で火災になるケースは
非常に少ないと言えます。

なぜなら火災に発展する場合には、
難燃性である電源コードが蓄熱している
必要があり、
蓄熱により電源コードから発生した
分解ガスに、
ショートによる火花が着火して
火災に至ります。

ちなみに
束ね配線(電源コードを束ねたまま使用)
が危ないという理由はこの蓄熱のためです。

実況見分調書の作成例

「経年劣化」や「小動物による噛みつき」
などが原因で、屋内配線の被覆が損傷し、
ショートを起こして発火した事例などがあります。

トラッキング

コンセントとプラグのすき間に
ホコリが溜まり、
そこに湿気が帯びてしまうと、
電気の通り道ができてしまいます。
この通り道(トラック)を
炭化導電路と言います。

この通り道(トラック)
により、電極間(プラグの刃と刃の間)
がショート(短絡)することで
発火してしまう現象を
トラッキング現象
と言います。

危ないのはホコリだけではない!

最近だと
プラグをコンセントに差し込む際に
クリップを挟み込んでしまい
ショート(短絡)を
起こしてしまうこともあります。

ホコリが溜まらないよう掃除も大切ですが、

何気なくプラグをコンセントに
差し込もうとするときに、
クリップやヘアピンが
挟まっていないかも
確認する必要があります。

実況見分調書の作成例

「コンセント付近にごみが堆積し、コンセントとプラグの隙間に塵や埃が付着していたことから、トラッキング現象を引き起こした可能性が考えられる」など、
現場の状況と照らし合わせ、
出火原因を導くことができます。

もしよろしければ、
原理を解説した動画も
作成しましたので、
ご視聴のほど
よろしくお願いいたします。

 

 



まとめ

火災原因調査は
科学的根拠に基づいた
文章を作成しなければ
いけません。

原因から結果に至るまでの
筋道を論理立てて説明する
ことを
意識していきましょう。



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