【消防法】着工届出の省略について。着工届を要さない条件とは?甲種消防設備士の義務を確認。

査察

こんにちは。
元消防士YouTuberのKIYOYUです。

今回は、消防設備士の義務でもある
着工届出について細かく解説していきます。

消防に提出する届出って

種類が多くて大変ね・・・!

着工届とは?

正式な名称は
「工事整備対象設備等着工届出書」というものです。

消防設備士には甲種と乙種がありますが、
この着工届は、甲種消防設備士だけに届出義務があるものです。
工事ができる消防設備士は
甲種の資格を持った者のみです。

乙種はそもそも整備や点検しかできません。
乙種については6類と7類しかありません。

消防設備の工事は甲種の資格者だけしか
できません。
つまり甲種特類と、
甲種1類から5類までの資格者のみです。

したがって、こちらの届出は
甲種消防設備士のみが、
消防用設備等の設置工事の前に
出すべき届出のことです。

消防設備士資格の詳細については
作成した動画でも説明しているので
もし宜しければご視聴ください。



いつまでに届出る?

工事に着手しようとする10日前までに
管轄内の消防署に届出る必要があります。

 

着工の基準日はいつか?どんな日か?

屋内消火栓設備やスプリンクラー設備なら、
設備の配管を設置しようとする日。
自動火災報知設備なら、
新設の場合なら、
受信機を設置しようとする日。
受信機の設置は伴わないなら、
感知器を設置しようとする日。

設備ごとの着工の早さの違い

屋内消火栓設備やスプリンクラー設備は
着工のスピードが早いのが特徴です。
地下を作り始めて、
上階にあがっていくときに
配管を入れていくためです。
この時が基準になり、その10日前まで
ということになります。

対して自動火災報知設備で考えた場合は
少し違います。

「新築」の建物で考えた場合、
9割ほど建物ができあがっていても、
受信機が入っていなければ、
まだその時点では
着工届を出す必要がありません。

たとえ配線や感知器が
ついていても、
受信機が入っていなければ
その段階では着工届を
出さなくても大丈夫です。

このように、
水系の消防用設備の工事と、
新築で受信機の設置を伴う
自動火災報知設備の工事とでは、
少し着工届の提出には
差が出ます。

水系は早く、自火報は遅めの
着工なんですね。



着工届が不要な場合

軽微な工事の場合は、
届出を省略できることがあります。
軽微な工事については
設備ごとに定められています。

以下、通知を参照

設置届及び着工届の添付図書等に関する運用について(通知) 令和5年3月30日 消防予第196 号

着工届は要らなくても設置届は必要

上記のように、
着工届の提出を省略した場合でも、
消防用設備等の「設置届」
必ず出さなければなりません。

工事後に、
「消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書」
必ず出すので注意しましょう。

誰が届け出るか?

届出する必要がある人
•届出の書類に記載されている
「届出者欄」に記載されている人。
•届出内容の工事を担当する
甲種消防設備士の人。



東京消防庁ルール

東京消防庁の場合、
着工届が不要な場合でも、
「設置計画届出書」の提出を求めています。

例えば、
非常警報設備、誘導灯、一部の避難器具について、
「設置計画届出書」を出さなければなりません。

こちらは建物の関係者に対して義務づけています。

「甲種消防設備士だけが工事できる消防用設備等以外の消防用設備等を設置する工事前には
「消防用設備等(特殊消防用設備等)設置計画届出書」が必要です。
とされています。

さらにいえば
この「設置計画届出書」についても、
「提出を要さない軽微な工事」
の範囲が示されており、
東京消防庁ルールとして
運用されています。

 



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