こんにちは、
元消防士YouTuberのKIYOYUです。
今回は、火災調査において出火箇所を
特定するためのポイントについて
説明していきます。
出火箇所特定のプロセスとは?
焼け方の見分を進める場合には
各プロセスごとに進めます。
大きくは建物ごとに、
さらに進んだ場合には部屋ごとに細かく進めます。
例えば3棟が燃えた火災なら、
1棟目、2棟目、3棟目の焼け方を見てから、
各建物の内側の部屋ごとを見分していきます。
見分を進める中で「焼け方の強弱」を判定し、各建物や各部屋同士を比較して、
燃えの強弱を確認します。
その上で
一体どこから出火したのかを絞り込むために、
焼けの方向を見定めます。
文章の中で強弱をつける
比較対象のポイント
焼け方の強弱については
全て「比較」によって判定していきます。
端的に言えば
「東側より北側の方が焼け方が強い」
といった感じです。
火災により、
様々な固体は、
熱の影響を受けて変化をします。
しかし熱の影響だけではなく、
消防隊などによる消火活動の有無、
そのタイミングによっても
焼け方の強弱には影響を及ぼします。
基本的には、
比較対象は、材質、形状、状態などが、
ほぼ同等でなければなりません。
例をあげると、
梁と屋根、梁と壁など
材質がくい違っている
組み合わせで「焼けの強弱」は
比べられません。
比較は、屋根同士、壁同士など、
条件がほとんど同等であるもの同士
で行うようにしましょう。
比較する上でもう一つの着眼点
焼け方の強弱は、
垂木と垂木の間の隙間のように
部材同士の間から
見分けられることもあります。
また
一枚の壁であっても両面を見ることで
焼け方の強弱が見られたり、
柱の側面、四方向で
見分けられることもあります。
一方から表面的な部分だけを見るのではなく、
多方向から壁や柱などを
見るように注意しましょう。
焼け止まりとは?
消防隊によって、延焼が阻止された部分のことを言います。
出火箇所を判断するときは、
焼け止まりをしっかりと
考慮しなければなりません。
出火箇所付近の焼け方が弱い場合もある?
基本的には
「出火箇所の近くがよく燃えるはず」
という前提のもとで説明します。
出火箇所付近と比べ、
出火箇所から遠い箇所の方も
焼け方が強い場合があります。
それは、以下の場合です。
置いてあった場合。
燃焼時間が長くなった箇所。
空気の供給量が多かった場合。
上記のような悪条件が重なると、
焼け方が強くなる傾向があります。
視野を広く持ち、
何が近くにあるのかをよく見て、
あらゆる可能性をイメージ
しながら
調査を進めましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
火災現場では焼け方の強い場所をたどって、出火箇所を特定するのが基本です。
その際、実際に消火にあたった
消防隊ともよく話をしながら、
出火箇所を特定しなければなりません。
また、火災調査時には
周りにあるものをよく観察して、
出火時の状況をイメージすることも
大切です。
正確な出火箇所を見極められるように
あらゆる要因を考慮するように
努めましょう。
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